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記事: Repair&custom 14

Repair&custom 14

「焦げ臭いなぁ・・・」と、気付いた時はすでに手遅れだったそうです。

マフラーに一瞬触れてしまい、チャップスの裾には穴が開き、その周辺は変形。ショックだったと察しますが、お客様の一言は、革を履いていてよかったな」。確かにおっしゃるとおりです。

とりあえず、着用できる状態ですが、熱による革の劣化は変形した穴の周辺にも及んでいるため、 放っておけば、穴は更に拡大することが目に見えています。

そこで、リペアとなりました。

破損部を広く覆うように革を当てる方法もありますが、ヒザ下は切り替えとなっているので、パーツごと 似た風合いのストック革で交換します。

尋常ではない熱に対しては、これからも気を使うことに変りありませんが、気持ちは一新できたのではないでしょうか。

まだ新しい右足も、着用される毎にヒザ裏や裾にはあたりがつき、次第に馴染んでいくと思います。

こちらはテーラードジャケット。

お客様はポケット下の革の変形に、目を疑ったと思います。前出のチャップスのお客様とは違い、何らかの熱源に触れた心当たりがないとのことです。

原因が熱ではないとすると、もしかしたら除湿剤に因るものかもしれません。 湿度の高い時期にはクローゼットの中でよく利用されるものですが、その際、革製品には注意が必要です。

革が除湿剤に直接触れていると、水分が局部的に吸収されて、変形を起こすことがあります。

触れている期間が長くなると革の収縮が進行し、まるで石のように硬化してしまった事例がありました。

一度変形してしまうと元に戻ることはありませんので、再び着用するためには、 パーツの交換となります。

幸い、このジャケットはポケット下が切り替えになっているので、右前身を全交換しなくてすみます。 ジャケットのやわらかな風合いに似た、薄手の革を合わせました。

この時期、革製品をしばらくの間クローゼットの中に置かれる方も多いと思います。 除湿剤を使用されていましたら、今一度ご確認いただくことをお勧めいたします。